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2012年10月27日 (土)

「楽園の楽屋」~宇野萬に手を合わせる by 長井八美

先日仕事で京都に行ったので「大谷祖廟」に参った。

今年の6月に旅立った舞踏家の宇野萬さんが眠っているところだ。
八坂神社と高台寺にはさまれた高台にあり、気持ちのいいところだ。
雨に濡れた坂道の石畳はなかなかの風情だった。

宇野萬さんは劇団青い鳥にとって
舞踏家であると同時に、大切な舞台美術家だった。
1999年の「銀の実時間」から2009年の「ザ還暦」まで、素敵な舞台美術を手がけてくれた。

宇野さんが食道がんになったのは、その途中だ。
手術を終えてからは、
「長井さん元気? 調子はどう? 長井さんが元気なら俺も大丈夫かな?」とよく言った。
私は20年前に乳がんになったので、
がんサバイバーとしては先輩だったのだ。

声がしゃがれてしまい、
少しづつ食べる宇野さんの方がはるかに大変なのに
そう言っては自分を元気づけているようだった。

「お弁当 やわらかくて食べやすいものの方がいいのじゃない?」
仕込みのときに宇野さんが食べるお弁当のことを心配すると
「同じものでいいよ。少しづつ食べるから」と言った。
特別にされるのがいやだったのだろう。
宇野さんのお弁当はいつも長い間置かれていて、少しづつなくなっていた。


スモールワールドシリーズになってからは、
宇野さんに舞台美術を頼んでいなかったが
「楽園の楽屋」で久しぶりに
芹川さんが「宇野さんに相談したいな」と言った。

それが今年に入ってからだ。

私の勝手な考えでは、何かを創造するのには2通りあって、
外側から創っていく人と
内側から創っていく人があるように思う。

内側から創っていく人は自分の内面から、
まるで蜘蛛が糸を吐き出しながら
巣を創っていくように
内側のものをはきだしながら創っていく。

宇野さんの舞台美術はそうだった。
劇団青い鳥の芝居の創り方と同じだ。

私は「ザ還暦」の舞台美術が好きだった。
その大好きな1枚の写真がこれだ。

Photo
不思議な舞台だ。
「楽園の楽屋」の美術を相談できなかったことはとても残念だが
私は彼が眠るところに手を合わせながら
今、楽園で再び踊るために楽屋にいる姿が目に浮かんだ。

そして、そう・・・・だったんだなと何かが腑に落ちた。

もう一つの「楽園の楽屋」があった。

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コメント

宇野さんがもう一つの『楽園の楽屋』にいる姿が目に浮かびます。。

やさしい、人なつっこい笑顔の宇野さん。


若衆が表に立った芝居『夕月』
芹川さんの難題な舞台美術の注文に、宇野さんが出した答えはリングだった。

リング。

挑む場
闘いの場
生死を分ける場


そのリングにどれほど勇気づけられ
助けられ
守られたか。


やさしい、人なつっこい笑顔の宇野さん。


魂の舞踏家。


大切なかたが亡くなって、どれほど、気落ちされたことでしょうか。
私も少しだけ、青い鳥の舞台に立たせていただき宇野さんにお世話になりました。

なんだか、この長井さんのブログのコメント欄に、宇野さんがコメントしていらっしゃるような気がしてじっと見つめてしまいました。

私の机の前には、最後に一緒に飲んだ飲み屋での写真が貼ってある。。。この文を読みながら。。。涙がとまらない。。。。宇野さ~ん。。。

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